きれいなポーズだと思った。はじめてこのポーズをとってみた時の快感は、忘れられない。

腰がどんどん反って伸びてゆく。私生活で背骨が歪んでいたのが、リアルにわかる。いちばん下の背骨から、ひとつずつ上へ上へ、「こきっ、こきっ」と音が鳴ってゆく。そして手を足首へもっていき頭をうしろへ落とすフィニッシュポーズへたどりつくと、背骨がしっかり真っ直ぐになった快感が得られた。胸が開いて呼吸がとても深くなる。3回呼吸しただけで、セロトニンが脳に湧いてきたのがしっかり実感できる。自然と目をつぶりたくなり、そのポーズの今を味わいたくなる。足首に手を持っていった状態で、腰を左右にやさしめに揺する。先ほどは縦に真っ直ぐになった背骨が、今回は横のラインも真っ直ぐに整えられる。
手を足首から離し、真っ直ぐ伸ばした腕を、ゆっくり弧を描きながら片手ずつもとへ戻し、手をももの上に置いて、休息する。

とにかくこころがゆったりと落ちつくポーズだ。動き自体は腰もかなり反るし、腕の筋力も、体幹の軸も整っていないとむずかしい、中級以上のポーズ。
しかし、ふだん意識してもなかなか動かしきれない箇所を深くストレッチできる。肩甲骨も、腰も、日常のなかで、前へ前へ丸くなりがちだが、しっかりうしろへ稼動できることを思い出させてくれる。
そして、ふだんこのポーズにならない限りここまで肺を開くこともないだろう。驚くほど、呼吸が深く長くなるのだ。
深く長い呼吸は、自然にセロトニンを産みだす。

背骨の位置を整えること、肩甲骨を動かすこと、肺を開くことの重要さが、実感できる、大好きなポーズです。

こちらの記事はヨガマガにお寄せ頂いたものです。
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