65歳以上の高齢者が21%を超える社会は「超高齢社会」と呼ばれ、日本は急速に高齢化が進んだ国として有名です。日本の平均寿命は2012年には83歳を超え、世界でもトップクラス。そんなシニア世代の多い日本。では、ただ寿命がながければよいのでしょうか?

寿命に関わらず、より健康にいきいきとして生きることも大切なことです。今回は、自立して健康に生きるために、シニア世代のヨガについてご紹介いたします。

シニアヨガとは?

シニアとは、何歳からのことを指すのでしょうか?世界保健機関では65歳以上の人のことを「高齢者」と定義しています。ですが、現代社会をみてみますと、どうでしょうか。シニアの方でも元気な方はたくさんいらっしゃいます。健康志向が高まっている今、シニアヨガを健康維持の方法として取り入れる方が増えています。

では、シニアヨガとは何でしょうか?普通のヨガとは何が違うのでしょうか?

シニアヨガはヨガの中でもよりセラピー要素が多いヨガです。従来あるヨガと同じ動きや正しいフォームをしなければならないわけではありません。

ヨガと聞くと、「身体が硬いから自分にはちょっと・・・」「身体が思うように動かないんじゃないか心配・・・」と不安が先立ってしまう方も少なくありません。しかし、シニアヨガで最も大切なことは、正しいポーズをとることや、ポーズができることではありません。

もっとも大切なことは、ヨガを通して、身体を動かすことの「楽しさ」を味わったり、呼吸を通して「気持ち良さ」を感じることです。

シニアヨガは、さまざまな方の個性を尊重しながら身体に合わせたヨガの動きを提供することのできるレッスンです。

シニアヨガの7つの効果

さて、シニアヨガをおこなうことで得られる効果はなんでしょうか?

シニアヨガには大きく分けて、「身体的効果」と「精神的効果」の二つの効果を実感することができます。

「身体的効果」の3つのメリット

1.血液循環が良くなる

体を動かすことで血液循環が良くなり、血行不良からくる腰痛や肩の痛みなど、さまざまな身体の痛みが緩和されることがあります。

2.筋力アップ

継続してヨガをおこなうことで、筋力がつき身体機能が向上する効果もあります。

3.内臓機能の活性化や自律神経を整える

ヨガでは深い呼吸を意識的に行うため、内臓機能を活性化させ便秘や自律神経を整えるといった効果もあります。

「精神的効果」の4つのメリット

1.気分転換

定期的に運動をすることで気持ちが晴れ良い気分転換になったりします。

2.集中力の向上

ポーズに取り組むことで、集中力を向上させることができます。

3.筋力がつくことによる達成感や、深い呼吸から得られる癒し

4.他の人との交流

定期的にクラスに参加することで、他の人との交流が生まれ、いきいきとして生活することができるようになったり、継続してヨガをすることで自分の身体の変化に気づくこともできます。

こうしてみると、ヨガは単なる筋力トレーニングではなく、心と身体の両方に潤いを与えてくれることが分かります。

ヨガをするときに気をつけること

シニアヨガをおこなうときに気をつけることとして、

ご自身のその日の体調に合わせて適度な運動を行うこと

私たちの身体は日々変化しています。昨日できたポーズが今日はできない、ということもあります。ヨガではポーズの完成が目的ではありません。その時の身体に合わせて最善の動きをおこなうことが大切です。決して無理をするのではなく、ご自身の身体変化に気づき、いたわることも大切なのです。

身体の状態を知らせる

シニアヨガのクラスに参加する場合は、あらかじめインストラクターへご自身の今日の身体の状態を知らせておきましょう。

インストラクターへ知らせることでポーズの内容を変えてもらったり、ブロックやタオルなど体の動きを補助するプロップスを使うなど配慮をしてもらえます。

また、明らかに熱があったり睡眠不足、動機や息切れがある場合はその日のレッスンはお休みしましょう。

その日のご自身の体調に合わせて、ご自身のペースで無理なく行うことがシニアヨガでは大切になります。

シニアヨガの呼吸法

ヨガでは意識的に呼吸を行うことを大切にしています。ヨガでは腹式呼吸、胸式呼吸、そして鎖骨を使った呼吸の三つの呼吸を合わせた呼吸のことを完全呼吸と呼んでいます。完全呼吸はまずはじめに腹式で深く息を吸います。それから、胸、続けて鎖骨まで息を吸い込み身体いっぱいに酸素を送り込みます。この呼吸になれない場合は、おなかに手を当て、おなかの動きを観察してみましょう。

また、呼吸をおこなうときには、姿勢にも気をつけましょう。しっかりと安定して座骨で床を押すようにしてまっすぐ座ります。困難であれば、椅子やクッションを用いたり、壁に背中を預けるなど、体を安定させて行いましょう。

心と呼吸は相互に関係していて、例えば怒りや恐怖を感じていると呼吸は浅くなり、乱れます。一方で、リラックスしていたり安心しているときはゆっくりとした呼吸になります。このように呼吸を整えることで心の状態を整え、健やかな身体をつくることができます。

チェアヨガで行うヨガ

チェアヨガというヨガを聞いたことがあるでしょうか?最近、カフェや企業の昼休憩でヨガをするイベントも増えてきました。そんな時よく使われるのが、椅子を使って手軽に行うチェアヨガです。

チェアヨガはシニアヨガでも手軽に用いられているヨガです。

チェアヨガは椅子をつかい、ヨガのポーズをおこなうものです。椅子を使うことで、安定して姿勢をとることができる、また足の悪い方でも気軽に動くことができるという利点があります。

チェアヨガの代表的なポーズ

ダウンドック(下を向いた犬のポーズ)

椅子の背後に立って、両手を天井の方へ上げます。そのまま腰から身体を折り曲げ、体を直角に曲げ、両手で背もたれをつかみます。

このときのポイントは床でダウンドックをとるように、背筋をしっかりとのばすことです。伸びが悪い場合は、椅子とご自身の身体の距離を調節してみましょう。目線は足の間からおへそにかけてみるようにし、脇の間も伸ばします。太ももの裏の筋肉の伸びも感じましょう。

トリコアーサナ(三角のポーズ)

椅子の背後に立ち、左右どちらかを向きます。

(左に向いた場合)両足は肩幅1.5倍ほどに開きます。右手で椅子の背もたれをつかみ、息を吸いながら左手を天井の方へ上げていきます。

このとき、左のおなかから脇にかけてしっかりと伸ばします。目線は左手の先を見ます。

終わりに

シニアヨガについて、いかがだったでしょうか?シニアヨガではそれぞれご自身の身体に合わせて無理なくポーズをとることが大切です。最近では市民講座や生涯学習講座の一環として、シニアヨガが取り入れられることも多いようです。まずは、一度レッスンを体験し、簡単なポーズからはじめてみてはいかがでしょうか。

noriko
ヨガと旅をこよなく愛するフリーヨガインストラクター。
実家のお寺でヨガイベントを開催。その他都内のゲストハウスを中心にヨガを教えている。